ブログのサイドバーは要らない
記事本文(いわゆるpermanent link / permalink)に関して、「サイドバー」は100%要らない。要ると思っているのは100%勘違いである。エゴで固執するなら「さいどばー」に相当するリソースへのハイパーリンクを提供すればいい。Web2.0なんだろ? だったらそのリンク先を得意のAjaxとやらで上手に扱えばいいじゃないの。もっともその程度にAjaxなんて全然必要ないけれども、かっこよさげだろう? わらい。
煩悩是道場の中の人は情報の消費者の視点で記事を書かれているが、サイドバーは「ブロガー」として見ても要らないものである。せっかくのPCのマルチタスク機能の利用を妨害してまで横幅を消費する価値が、「さいどばー」にあるのかどうかを考えればわかる。ある記事を参照しながら何かを書くときウィンドウを左右に二つ並べないのは、多くの人にとって「並べることができない」からだ。その原因がサイドバー。今でこそCSSでレイアウトされているから、これを無効にすればなんとかなるが、昔はテーブルでレイアウトされていて殆ど手の施しようがなく、自分でスクリプト(今で言うGreasemonkeyスクリプトのようなものをIE+Proxiomitronでやっていた)を書くしかなかった(※)。しかし今だって例えばFirefoxならView→Page Style→No Styleを知っている人がどれほどの割合でいるのだろう。知らない人にとっては手の施しようがない。
高解像度のディスプレイを買えば解決する問題だがそれを要求するのはどうか。モバイル機器を利用する人だっている。それ以外にも書くのもうんざりするくらい色々な「必然的」環境がある。そもそも横1600px以上のモニタを購入して「ウィンドウを二つ並べられるようになったぞ!」というのは悲し過ぎるだろう。わらい。
そして多くの人がマルチタスクを妨害される状況に慣れてしまっている。恐ろしく馬鹿げたことだと思う。最近少し嬉しかったのは、Windows Vistaのヘルプアプリケーションが「サイドバー」を使用しなくなったことだ。それを参照しながら他のアプリケーションを操作するんだから当たり前すぎるくらい当たり前なんだが、ようやく気づいたのだろう。
この記事に反感を抱く前に、ウィンドウを二つ並べての作業を可能な環境を借りてやってみればわかる。私は10年以上やっているし、あるユーザビリティの権威もやっているらしい。昔はマルチモニタを使っていたが、今は高解像度のモニタに投資を惜しまない。恐らく周辺機器でもっとも投資価値が高いものの一つだ。それも視覚障害者でないかぎり普遍的にだ。私は頭の出来が悪いらしく四つ以上のウィンドウを開いているとかえって混乱するが、そうでないなら素晴らしく投資効率が上がるだろう。
ブログの記事なんてものは情報の末端なんだということを良く自覚すべきだと思う。本文と、十分に関連性のあるリンクがあれば良いのであって、情報のターミナル(カタカナの「ターミナル」)になったつもりでいるのは恥と知るべきだ。
以上、最近1200×800pxのノートを使う機会が多く不満が再燃した、という話。まあ別に普通の読み物系ならガッカリするだけだが、プログラムのソースコードをpre要素で紹介したりするブログがサイドバー系だった時には軽ーく殺意を抱くことを覚えておいてくれ。ああ、別に私に殺意を抱いてくれてもいいよ。私は何のコミュニティにも参加していないし、暗黙的な徒党も組まない。今は何のしがらみもない。
※ 最近「論理マークアップ」なんて役に立たないとかなんとか書いている化石ブロガーを発見したが、履歴から消えてしまってリンクできない。SEOがどうとか言っていたな。SEOの観点から論理マークアップが役に立たないのは、論理マークアップが駄目なのではなくてSEOという行為自体が糞だからということに気づいていなかったみたいで、なんだか筋が通っていなかった印象がある。